モダン・ジャズ・カルテット (Modern Jazz Quartet) は、アメリカ合衆国のジャズバンドで1952年にミルト・ジャクソンらによって結成された。1951年に、結成した初期にはミルト・ジャクソン・カルテット(Milt Jackson Quartet)と名乗っていた。略称は両方ともMJQである。
Modern Jazz Qualtet / モダン・ジャズ・カルテットの生い立ちと略歴
ミルト・ジャクソン、ジョン・ルイス、ケニー・クラークの3人はもともとディジー・ガレスピーのビッグ・バンドで1946年から1950年の間一緒に演奏していた。また、その楽団でウッドベース奏者のレイ・ブラウンも一緒だった。
1951年にミルト・ジャクソン・カルテットを結成するが、翌年にはモダン・ジャズ・カルテットと名前を変える。(ミルト・ジャクソン・カルテットの略称であった「MJQ」の「MJ」を、「モダン・ジャズ」の略称として置き換えたもの)
当初、音楽監督をミルト・ジャクソンとジョン・ルイスが担当していたが、のちにジョン・ルイスが全ての仕事を引き継ぐようになった。このことがMJQの音楽性を決定的なものにした。ジョン・ルイス(夫人がクラシックのピアニスト)はクラシックの研究とジャズの精神を融合させることに情熱を注ぎ込み、これまでの黒人音楽には希少なサウンドを展開した。(もっともそれがミルト・ジャクソンとの決別の原因にもなった)
彼らの主なレパートリーはビバップやスウィング時代のスタンダードナンバーだった。管楽器は使わず、ミルト・ジャクソンのビブラフォンを中心にした一貫してクールで室内音楽的なジャズで人気を博した。オリジナルの楽曲には、ジョン・ルイスによる”Django”(ベルギーのジャズギタリスト、ジャンゴ・ラインハルトに捧げられた)と、ミルト・ジャクソンによる”Bags’ Groove”(Bagsはミルト・ジャクソンのニックネーム)がある。後年はジョン・ルイスによるジャズの範疇に収まらない曲も数多い。
ミルト・ジャクソンが1974年にグループを去るとすぐに解散したが、1981年に再結成している。モダン・ジャズ・カルテットの最後の録音は1993年に発売されている。メンバーの中で最後まで生きていたパーシー・ヒースも2005年に死去した。
Modern Jazz Qualtet / モダン・ジャズ・カルテットのメンバー
- ミルト・ジャクソン(ビブラフォン)
- ジョン・アーロン・ルイス(ピアノ)
- パーシー・ヒース(ベース)
- ケニー・クラーク(ドラム)
- コニー・ケイ(ドラム、1955年以降。コニー・ケイが晩年病気に倒れた際には、MJQのレパートリーのほとんどをマスターしていたミッキー・ローカーが代役としてドラムスを担当した。)
Modern Jazz Qualtet / モダン・ジャズ・カルテットのアルバム
- Concorde (1955) (コニー・ケイがドラムを担当した最初のアルバム)
- Django (1956)
- Fontessa (1956) (アトランティック・レコードでの最初の録音)
- Pyramid (1959)
- Plastic Dreams (1971)
- The Complete Last Concert (1974)